マネジメント能力とは?7つの必須スキルと高め方・活用できるツールを紹介
組織の生産性を高めるには、マネジメントが必要不可欠です。
しかし、なかには「チームマネジメントが上手くいかない」「マネージャー自身のスキルアップが必要」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで本記事では、マネジメント能力を構成する7つのスキルについて解説します。
マネジメント能力の高め方や、チームマネジメントに役立つツールも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
マネジメント能力とは
ビジネスにおけるマネジメント能力とは、組織の「ヒト・モノ・カネ」を管理して生産性を向上させる能力のことです。
ここではマネジメント能力の基礎知識を解説します。
マネジメントとは
そもそもマネジメントとは、企業目標を達成するために、組織の資源であるヒト・モノ・カネを管理し、最適化することです。
日本語では「管理」と訳されることが多い言葉ですが、実際は適切な目標設定や施策の分析、人事評価・育成など、さまざまな要素で構成されています。
マネジメント能力とリーダーシップの違い
マネジメント能力と混同されることの多いスキルとして、リーダーシップが挙げられます。両者の違いは下記の通りです。
- マネジメント能力:組織の資源を管理して生産性を向上させる能力
- リーダーシップ:メンバーや組織を適切に導く能力
上記から、マネジメントが組織全体の管理能力を指すのに対し、リーダーシップは「ヒト」に特化した管理能力を指すといえます。
両者はまったく別物の能力ではなく、マネージャーにリーダーシップが、リーダーにマネジメント能力が求められる場面も多く見られます。
マネジメント能力がある人に共通する6つのスキル
マネジメント能力がある人は、共通して下記6つのスキルを持っています。これらのスキルを高めることを意識すれば、マネジメント能力を高められるでしょう。
- コーチングスキル
- 意思決定スキル
- 計画・管理スキル
- 課題解決スキル
- アセスメント(評価・分析)スキル
- コミュニケーションスキル
- テクニカルスキル
コーチングスキル
ビジネスにおけるコーチングスキルとは、部下の能力を引き出したうえで行動を促し、目標達成をサポートするスキルのことです。
人材育成はマネージャーにおいて重要な業務の一つであり、個々の能力を引き出したり専門性を高めたりすることで、部下の強みを生かした業務分担ができます。
コーチングスキルを高めることは、チームの生産性を高めることにつながります。
意思決定スキル
マネージャーは、部下に対して組織のビジョンを示す必要があります。
トラブルが生じた際にも組織として最善の答えを導く意思決定スキルは、マネジメントをするうえで欠かせないスキルといえるでしょう。
反対に、意思決定スキルが不足しているマネージャーでは部下の不信感が強まり、モチベーションの低下を引き起こします。
計画目標設定・管理スキル
マネジメントにおいて、適切な目標を設定し管理することは非常に重要な業務です。
目標設定・管理を部下任せにしていては、部下のスキルやモチベーションの向上は見込めないでしょう。
また部下の目標は組織目標からブレイクダウンして考えるものであり、個々の目標を達成することで、組織力を高めることができます。
課題解決スキル
物事を論理的思考で考え、課題を解決するスキルはマネジメントに必須です。
感覚的な指示では部下に不信感を抱かせてしまううえに、トラブル対処のノウハウが構築されません。
またトラブル発生時以外にも、たとえば従業員の目標達成率が低いときなどは、現状を分析し目標に対してどのような行動を取るべきか的確に指示をすることが求められます。
アセスメント(評価・分析)スキル
アセスメントスキルとは、部下の能力や行動を正しく評価・分析するスキルのことです。
日常的な部下の行動や面談・雑談を通して適性や長所を把握すれば、人材配置や育成で役立ちます。
マネージャーのアセスメントスキルが不足している場合、チーム内で特定のスキルが不足したり、人材育成が遅れたりといった問題が浮上します。
コミュニケーションスキル
部下との信頼関係を構築するには、コミュニケーションが欠かせません。
たとえば部下の進捗管理を最適化するには、部下からのこまめな報告・連絡・相談が必要です。
普段から話しやすい関係を構築できていれば、進捗の遅れによるトラブルを未然に防げるでしょう。
マネージャーは経営陣や他部署の管理職とも多く交流する役職のため、どの立場の人とも円滑に仕事を行えるよう、コミュニケーションスキルを高めましょう。
テクニカルスキル
テクニカルスキルとは、業務における専門スキルです。
部下だけでは対処できないトラブルが発生した場合などに必要となります。
また近年では人材不足の影響で、マネージャーと現場を兼任するケースも多く見られます。
テクニカルスキルは部下への手本や指導にも役立ちます。
マネジメント能力を向上させる方法
前述の通りマネジメント能力は複数のスキルから構築されているため、「結局どのように能力を高めればいいのか分からない……」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、マネジメント能力の基礎的な高め方として、下記を紹介します。
- 迅速な意思決定を習慣づける
- 傾聴を意識する
- ロジカルシンキングを鍛える
迅速な意思決定を習慣づける
マネジメント能力を向上させるには、迅速な意思決定を習慣づけることが大切です。
Amazon.comの創設者の一人であるジェフ・ベゾス氏は、意思決定のコツとして下記を挙げています。
- 硬直的なプロセスは厳禁: 多くの意思決定は取り消せるうえ、元に戻せる
- 70%の情報で決める: 90%の情報が入手できるまで待っていたら遅い
- 反対してもコミットする: 反対意見が出た場合でも一度はコミットしてもらう
- 早い段階で上にあげてしまう: 判断が遅れ、気力が削がれる前に解決を上に任せる
参考:「意思決定」が高速化する4大習慣【ジェフ・ベゾスが教える】 | Invent & Wander | ダイヤモンド・オンライン
傾聴を意識する
傾聴とは、耳を傾けて注意深く話を聴くことです。
傾聴によって相手に寄り添うことができれば、部下に対してより適切な提案をしたり、トラブルを未然に防いだりといった効果が期待できます。
傾聴力を高めるには、まず相手の話を聞く態度・姿勢を意識することが大切です。
「しっかり話を聞いてくれている」と感じてもらえるよう、相手を受け入れる体制を整えましょう。
ロジカルシンキングを鍛える
ロジカルシンキングとは、物事を体系立てて整理し、矛盾なく考える思考法のこと。課題解決スキルや提案力などを向上させるためには、このロジカルシンキングを鍛えることが効果的です。
ロジカルシンキングを鍛えるためには、まず基本のフレームワークである「ピラミッド構造」を知りましょう。
ピラミッド構造とは、「結論」と「その根拠」をピラミッド状に図式化するフレームワークです。
主張をピラミッド構造で整理することで話を論理的に展開できるだけでなく、自身の考えを整理する際にも役立ちます。
マネジメントを成功させるコツ
マネジメントを成功させるには、自身のマネジメント能力を高めながら部下との接し方にも気を付ける必要があります。ここではマネジメントを成功させるコツとして、下記3点を解説します。
- 情報共有を徹底する
- 人事評価の公平性を保つ
- 定期的にフィードバックを行う
情報共有を徹底する
マネジメントを成功させるには、情報共有の徹底が不可欠です。
情報共有が上手くいっていないチームでは、部下の進捗状況や取り組んでいるタスクが分からず、業務効率が低下してしまいます。
KPI管理ツールや進捗管理ツールなどを上手く活用し、効率的にマネジメントを行いましょう。
マネージャーと部下の情報共有はもちろんのこと、従業員同士の情報共有を活性化させることで、チームのモチベーションアップにもつながります。
人事評価の公平性を保つ
部下のモチベーションを維持するためには、人事評価の公平性を保つことも欠かせません。
上司の感覚で下された評価では納得感を得られず、チーム内に不満が生じてしまいます。
公平な評価を下すためにも、評価項目は数字で管理できるものを中心にしましょう。
データを根拠にした人事評価なら、従業員のスキルアップの意欲を高めることもできます。
定期的にフィードバックを行う
部下との信頼関係を構築し、モチベーションを高めるためにも、定期的な面談でフィードバックを行いましょう。
その際、部下の課題点だけでなく得意な分野についても触れることが大切です。
また面談の場ではマネージャーが一方的に話すのではなく、部下の話を聞くことも意識しましょう。
一方的に目標を設定するのではなく、本人の主体性を尊重した目標設定を行うことで、部下の主体性を伸ばすことができます。
チームマネジメントに役立つツール
最後に、チームマネジメントに役立つツールを紹介します。
マネジメントツールにもさまざまな種類がありますが、ここでは「KPI管理ツール」「タレントマネジメントツール」「スキル管理ツール」からおすすめのツールをピックアップしました。
- 【KPI管理ツール】Quantee
- 【タレントマネジメントツール】HRBrain
- 【スキル管理ツール】スキルノート
【KPI管理ツール】Quantee
KPI管理ツールとは、組織や個人で設定したKPIを入力・情報共有して管理するためのツールです。
データを一元管理できることにより、マネジメントを効率化することができます。
KPI管理は複雑な組織構造になるほど煩雑になりがちです。
しかしQuanteeは組織階層ごと、施策階層ごとに見たい指標の設定と進捗管理ができるため、組織規模が大きくなり、さまざまな管理が複雑化している企業などに特に向いています。
全ての組織と施策において進捗がリアルタイムでわかるだけでなく、組織内で進捗管理のフォーマット統一も可能。
進捗確認の無駄なやりとりをなくし、データ集計管理工数0を実現します。
【タレントマネジメントツール】HRBrain
タレントマネジメントツールとは、社内の人材情報を一元管理し、効果的な人材配置・育成をサポートするためのツールです。
具体的には、従業員の個人情報や異動の記録、評価など、さまざまな情報を管理します。
タレントマネジメントツールのなかでも、HRBrainは機能の豊富さが評価されています。
一般的なタレントマネジメントツールが搭載している人材情報管理機能に加え、目標管理や人事評価、労務管理など、あらゆる人事業務を効率化する機能を搭載している点が特徴です。
また誰でも簡単に操作できる操作性の高さや、サポートの手厚さも評価されています。
【スキル管理ツール】SKILL NOTE(スキルノート)
スキル管理ツールとは、従業員のスキルを可視化して共有するためのツールです。適正な人事配置や育成に役立ちます。
SKILL NOTE(スキルノート)は、従業員のスキルや資格、受講履歴などを可視化し、戦略的な人材育成・人材活用を促進するクラウド型スキル管理システムです。
マネージャーは「スキルマップ」「資格マップ」で従業員の保有スキルや資格を管理できるため、紙やエクセルへの入力負担や管理の手間を削減できます。
また従業員自身が保有スキルを確認できる環境を作ることで、スキル習得への意欲を高めることができるでしょう。
マネジメント能力を向上させて組織の生産性を高めよう
マネジメント能力は複合的なスキルから構成されており、一朝一夕では身に付かないものです。
しかし不足しているスキルがあるからといって、マネージャーとしての適性がないとは限りません。
管理職・マネージャーにおいては、マネジメントツールを活用することが業務効率や生産性向上の鍵となります。
自社の目的や環境に合わせたツールを導入し、マネジメントの効果を最大化しましょう。
Quanteeならセールス・マーケティング全領域におけるKPI進捗管理が可能です。
組織・施策だけでなくメンバーごとの目標設定や進捗確認もできることから、課題点の明確化からフィードバックをスムーズに実行できます。
また領域ごとにバラバラに管理していたものを一元管理できるため、管理者・マネージャーの工数削減も実現します。