組織マネジメントとは?解決できる課題やフレームワークを解説
組織が効率的に機能するために必要なのが組織マネジメント。しかし、組織マネジメントをどのようにしていくかピンと来ない方もいるでしょう。
そこで今回は、組織マネジメントの目的や重要性、組織マネジメントで解決できる課題や得られるメリット、役立つフレームワークやポイントなどを解説します。
組織マネジメントについて学びたい方にとって有益な情報をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
組織マネジメントとは
組織マネジメントとは、その名の通り組織を効率的に機能させるためのマネジメント手法のことです。
組織において、ヒト・モノ・カネ・情報をマネジメントし、強い組織をつくります。
目的
組織マネジメントの目的は、経営資源を適切に管理し、目標を達成することです。
経営資源である、ヒト・モノ・カネ・情報のうち、ヒトは数字で示すことが難しく、マネジメントが難しいとされています。
重要性
組織がきちんと機能するためには、無駄な業務をなくし、効率よく活動できるようにしなければいけません。
組織マネジメントができていない場合、非効率的な業務をおこなっていることもあるでしょう。
現在は、グローバル化やIT・AI技術の進歩、不安定な世界情勢などの影響を受け、従来よりも変化が激しくなっています。
外部環境が大きく変化するなかで、可能な限り無駄をなくし、強い組織をつくることは重要です。
組織マネジメントは、組織が成長し続けるために必要不可欠な重要課題ということもできます。
マネジメントとリーダーシップの違い
マネジメントとリーダーシップは混同されやすいですが、異なった特徴を持つため、区別して理解してください。
リーダーシップは広義的なマネジメントの一部と位置づけることができます。
また、以下の通り、目的や性質、コミュニケーションの違いもあります。
【マネジメントとリーダーシップの違い】
マネジメント | リーダーシップ | |
目的 | 上席の方針に従って計画や予算を立てる | 自らビジョンを定めて前進する |
性質 | ・短期的あるいは中期的な視点 ・現実的かつ合理的選択をする | ・中期的あるいは長期的な視点 ・冒険的で新しいものを取り入れつつ方法を模索する |
コミュニケーションの取り方 | ・上席からの指示あるいは命令 ・コントロールする ・上司から部下への一方通行 | ・対話・動機付けをおこない、周りを巻き込む ・組織全体で協働してお互いに支え合う |
組織マネジメントで解決できる課題や得られるメリット
組織マネジメントで解決できる課題や得られるメリットとして、主に3つ挙げられます。
- プレイングマネージャーを育成して組織が強くなる
- 個々のマネジメント力を高めてマネージャーの負担を減らす
- 個々に合わせたマネジメントをおこなって多様性を受け入れる
それぞれについて詳しく解説しましょう。
プレイングマネージャーを育成して組織が強くなる
まず、自分だけでなくチーム全体を管理できるプレイングマネージャーが多くいればトラブル発生時も柔軟に対応できる強い組織をつくることができます。
もし、マネージャーが体調不良で離脱した場合でも、代行できる人がいれば、組織としては維持可能です。プレイングマネージャーは簡単に育成できるものではないため、日頃から意識して教育する必要があります。
個々のマネジメント力を高めてマネージャーの負担を減らす
メンバーが自分の管理を適切におこなえるようになれば、それらをまとめるマネージャーの負担を減らすことができます。
マネージャーに余裕がうまれると、メンバーに適切な声かけができたり、改善しやすかったり、組織によい循環をもたらすでしょう。
個々に合わせたマネジメントをおこなって多様性を受け入れる
近年は、非正規社員や業務委託、時短勤務社員なども多くいます。組織マネジメントを適切におこなえると、多様な働き方に対しても柔軟に対応しやすくなるでしょう。
それぞれのメンバーを適材適所に配置し、外部環境の変化に強いしなやかな組織づくりが理想的です。
組織マネジメントで役立つフレームワーク:組織の7S
続いて、組織マネジメントで役立つフレームワークである「マッキンゼーの組織の7S」という考え方について解説します。
なお、マッキンゼーとは、世界的に有名なコンサルティングファームのひとつです。
組織を構成する要素は以下の7つに分けることができます。
- Structure(組織構造)
- Strategy(戦略)
- System(システム)
- Staff(人材)
- Skill(スキル)
- Style(スタイル)
- Shared value(共通の価値観)
さらに、それぞれは比較的マネジメントしやすいハードの3Sと、目に見えづらくマネジメントが難しいソフトの4Sに分けることができます。
ハードの3S
ハードの3Sとは、「Structure(組織構造)」「Strategy(戦略)」「System(システム)」のことで見える化でき、比較的マネジメントがしやすいものです。
「Structure(組織構造)」とは、組織の仕組みや階層、指揮命令系統などを指す要素です。組織の土台となり、誰が権限を持っているか、組織として機能しているか、などを明確にします。
「Strategy(戦略)」とは、事業の方向性や経営戦略のことです。継続して成長し続けるためには、どのようなことが必要か、考えます。
「System(システム)」とは、人事評価制度や報酬制度、会計制度などのことです。メンバーをどのように正当に評価するか、あるいは、評価に従ってどれくらい報酬を渡すか、などを決めて制度を整えます。
ソフトの4S
対して、ソフトの4Sとは、「Staff(人材)」「Skill(スキル)」「Style(スタイル)」「Shared value(共通の価値観)」のことで、見える化しにくいため、比較的マネジメントがしづらいとされています。
「Staff(人材)」とは、組織に属する人やその質のことです。適切な人材配置や育成なども含まれます。
「Skill(スキル)」とは、個人ではなく、組織が持っている競争優位性のことで、具体的には、技術力や営業力、広報力などが挙げられます。
「Style(スタイル)」とは、組織の雰囲気や、大切にしているマインドのことです。具体的な仕事の選び方や進め方などを示すこともあり、組織の個性と捉えることもできるでしょう。
「Shared value(共通の価値観)」とは、組織全体で共通認識されている価値観で、具体的には、組織の理念やビジョンなどが当てはまります。
「組織の7S」を活用するためのフレームワーク
組織の7Sは、以下の流れで評価するとよいでしょう。
- 現状把握
- 問題点の洗い出し
- 改善案の作成
- 改善案と現状の比較
7つの要素の現状を1つずつ把握し、分析していく必要があります。
組織が持つ強みや弱み、競合にはない魅力などを考慮しつつ、問題点を洗い出してください。その後は、どうありたいかという理想を具体的にイメージして、現状との差異を確かめます。
7つの要素はそれぞれ独立したものではなく、お互いに関与し合っているため、何かを変えることで、ほかの要素が劣化してしまうことも考えられるため、全体的なバランスも考えて取り組んでいきましょう。
組織マネジメントに必要なスキルやポイント
続いて、組織マネジメントに必要なスキルやポイントについて解説します。
目標設定の能力
1つ目は、適切な目標を設定する能力です。
ビジネスの世界でも目標を設定するように言われることが多いですが、適切に現状を把握し、課題を克服できる目標を設定するのは容易ではありません。
計画力
2つ目は、計画力です。最終的な目標達成に向けて、計画を立てて遂行する能力は必要不可欠です。
目標達成のために具体的にどのような行動をとったらよいか、業務レベルまでに落とし込んで周りを巻き込んでいかなければいけません。
メンバーの特性を理解した上での適材適所の配置
3つ目は、メンバーの特性を理解した上での適材適所の配置です。
人にはそれぞれ強みと弱みがあるため、見極めて十分に能力を発揮できる環境を整える必要があります。
さらに、適材適所に配置するなかで、メンバーに期待していることを伝えられるとよいでしょう。
コミュニケーション能力
4つ目は、コミュニケーション能力です。コミュニケーションは、上司とも部下とも適切におこなわないといけません。
現場メンバーの意見にしっかり耳を傾けることで、初めて気付くことができる組織の課題や強み・弱みもあります。コミュニケーションに関しては、聞く力も伝える力も同じくらい重要なものです。
リスク回避力やトラブル発生時の対応力
5つ目は、リスク回避力やトラブル発生時の対応力です。
そもそもトラブルが発生しないように対策をおこないつつ、トラブル発生時には優先順位をつけて速やかに対応しなければいけません。
あらかじめマニュアル整備や代替案の選定などを考えておく必要があります。
適切な評価力
6つ目は、適切な評価力です。組織に貢献しているメンバーは適切に評価して報酬を与えないと流出してしまう恐れがあります。
マネージャーは、ついつい自分の思考に合ったメンバーを高く評価しがちですが、客観性を持たせて平等に評価しましょう。
まとめ:マネジメントツールを活用してデータを可視化する
この記事では、組織マネジメントの目的や重要性、組織マネジメントで解決できる課題や得られるメリット、役立つフレームワークや意識したいポイントなどを解説しました。
マネジメントでは、日々さまざまな指標を分析することが必要です。そのため、データを効率的かつ正確に管理するためには、マネジメントツールの活用が鍵となるでしょう。
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