営業活動におけるPDCAは古い?各工程について具体的に解説
PDCAは、目標を立ててより良い行動をおこない評価してさらに改善に努めるうえで役立つフレームワークです。
そんなPDCAは、営業活動においても役立ちます。ときには「PDCAは時代遅れ、古い」と言われることもありますが、そんなことはありません。
そういった方は、うまくPDCAを回せてないのかもしれません。効果を出すためには、しっかりポイントを押さえる必要があります。
そこで、営業活動を改善するための具体例やポイント、注意点などを解説します。ぜひ参考にしてください。
営業担当者がPDCAを活用すべき理由
まず、営業担当者がPDCAを活用すべき理由について解説します。
ずばりPDCAを実践すると、売上アップを目指せる再現性の高い営業手法を確立させ、商談の効率性を上げたりより多くの数をこなしたりすることができる効果を期待できます。
具体的には、以下のようなことを意識できるでしょう。
- Plan(計画):目標と計画を決める
- Do(実行):さまざまな営業手法を通してより良い営業活動をする
- Check(評価):営業活動を振り返る
- Action(改善):目標を達成できるように少しずつ改善に努める
営業活動でも適切な目標設定や振り返りは重要で、再現性の高い営業手法を確立するのに必要不可欠だと認識しましょう。
営業活動におけるPDCAの具体例
続いて、営業活動におけるPDCAの具体例について解説します。各工程で意識することや明確にすることを挙げていきましょう。
Plan(計画)
Plan(計画)では、以下の3つのポイントを明確にします。
- 営業活動の目標
- ターゲット
- アプローチ方法
営業活動の目標としては、売上や成約数、利益などが挙げられることが一般的です。Plan(計画)以降の工程をきちんと実践するために、数量的かつ具体的に計画していきましょう。
この工程を明確にできないと、形ばかりのPDCAになってしまい、十分な効果を得られません。
Do(実行)
Do(実行)では、以下のようなアクションを管理します。
- 営業電話を1日10件かける
- 提案書を月末までに2社分作成する
「アクション」を「いつまでに」「どれだけ」実行するか決めましょう。
また、顧客名や担当者名、進捗度、課題、成約確度、最後にやりとりした日付などを記録しておくと、以降の工程で役立ちます。
Check(評価)
Check(評価)では、Plan(計画)の実現度合いを確認します。「〇」「△」「×」の3段階でおおまかに評価することもありますし、実現度を0~100%で表示することもあります。
こまかく評価できるとよいですが、その根拠を具体的に示せるように意識しましょう。
PDCAは一度おこなったら終わり、というものではありません。
この工程で評価しにくいと感じたら、そもそもPlan(計画)の立て方に問題があると言えるかもしれません。
そういったことも含めて、PDCA自体を改善してブラッシュアップしていきましょう。
さらに、目標を実現できた要因や実現できなかった要因などを明らかにします。なお、この際は、プロセスと結果を分けることが重要です。
たとえば、「成約数が達成できなかったから、営業電話を1日10件から15件に増やそう」という短絡的な改善策にならないように気を付ける必要があります。
単純に営業電話の数が足りなかったのではなく、営業トークの質が悪かったのかもしれません。営業トーク自体を磨くように施策を設ける必要性にも気付けるように多角的に評価しましょう。
Action(改善)
Action(改善)では、Check(評価)の結果を踏まえて改善策を検討し、新たなPlan(計画)へ反映します。
この工程を慎重におこなえると、PDCA自体をより良いものに仕上げられるでしょう。
ポイントは、以下の通りです。
- 一度に複数項目を大きく変えるのは避ける
- まったく同じPlan(計画)にはしない
- 実現できたことをさらに高い目標にレベルアップするのもよい
- 実現できなかったことに再チャレンジするなら必ず改善を加える
- 営業の勝ちパターンを確立させるように意識する
少しずつ最終目標に近づけるようにする姿勢が必要です。
PDCAを回すコツやポイント
続いて、うまくPDCAを回すコツやポイント、注意点について解説します。
具体的には、以下の5つが挙げられます。
- 1ヶ月単位だけでなく1週間単位の小さなPDCAも設ける
- Plan(計画)は最終目標から逆算して考える
- Do(実行)ではすぐに結果を求めない
- Check(評価)は細分化して考える
- Action(改善)は数字で示す
どれも重要なポイントですので、詳しく解説しましょう。
1ヶ月単位だけでなく1週間単位の小さなPDCAも設ける
1つ目は、1ヶ月単位だけでなく1週間単位の小さなPDCAも設けるということです。
PDCAというと、1ヶ月単位で評価や改善をする方が多いですが、計画や実行の方向性が間違っていないか見定めるために小さなPDCA(1週間単位でのPDCA)も回すことをおすすめします。
PDCAのスパンを短くすると、より早く改善点に気付いて、Plan(計画)に反映し、実行できるようになります。
とくに、初めて営業活動にPDCAを活用する方は、適切なPlan(計画)を設定することに苦戦することも少なくありません。
「結局のところ効果はあるの?」「上司からPDCAを回すように言われたからおこなっているけど、いまいち効果がある気がしない。時間の無駄かもしれない」ということにならないように、Action(改善)をしっかりPlan(計画)に反映させて、PDCAの施策自体の精度を上げていきましょう。
Plan(計画)は最終目標から逆算して考える
2つ目は、Plan(計画)は最終目標から逆算して考えるということです。
Plan(計画)で企てる目標は、もちろん最終目標に関連するものでないといけません。
また、定量的な数字にまで落とし込むことと目的を明確にしたうえで計画を立てることを意識しましょう。
たとえば、最終目標が年間売上1000万達成であれば、逆算して月間の売上目標を立てないといけません。
とくに、月によって売上の変動が大きい商品やサービスなら、単純に年間売上を12分割すればよいわけではありません。
そして、月間の売上目標を達成するためには、1週間さらに細かくいうと1日でどういった営業活動をおこなう必要があるか逆算します。
Do(実行)ではすぐに結果を求めない
3つ目は、Do(実行)ではすぐに結果を求めないということです。
PDCAでは、どうしてもCheck(評価)に意識が偏りがちです。目標の達成あるいは未達成という結果はもちろん重要ですが、結果だけでなくプロセスにも目を向けましょう。
結果は未達成だったけれども、成長したところや成功する要因を秘めているところなども育てていく、長期的な視点も必要です。
Check(評価)は細分化して考える
4つ目は、Check(評価)は細分化して考えるということです。
これは、3つ目の「Do(実行)ではすぐに結果を求めない」とも関連します。細分化して考えて、目標は達成できなくてもポジティブな側面にも目を向けましょう。
「未達成」という1つの結果でも、良かったところと悪かったところの両面が見えることも少なくありません。
Action(改善)は数字で示す
5つ目は、Action(改善)は数字で示すということです。
改善策は、何をいつまでに何回おこなうのか、具体的に数字で示します。本質的な原因を発見できたとしても、改善策が曖昧なら具体的なDo(実行)につなげることができません。
営業活動自体を変革できなければ、さらなる成長はないでしょう。
まとめ
本記事では、営業担当者がPDCAを活用すべき理由を示したうえで、営業活動を改善するための具体例やポイント、注意点などを解説しました。
PDCAを効率的に回すために、自動でデータを抽出できるツールの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
たとえば、あらゆる切り口から営業活動やマーケティング活動の進捗管理をしたい方にはKPI管理ツール「Quantee」がおすすめです。
営業活動におけるPDCAの精度を高められるツールなので、ぜひチェックしてみてください。