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営業戦略の立て方とは?ポイントや注意点、フレームワークなど

健全な経営をおこなうためには、営業戦略をしっかり立てることが必要です。

しかし、営業戦略が必要なことは分かっていても具体的にどのような工程を踏めばよいか判断がつかないこともあるでしょう。

そこでこの記事では、営業戦略の立て方を5ステップに分けて解説します。

最後に、営業戦略を立てるときに役立つ8つのフレームワークについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

営業戦略とは

まず、営業戦略の立て方の前提についてお伝えします。

そもそも営業戦略とは、売上アップや市場のシェア拡大など、利益目標を達成するための計画と定義します。

なお、営業戦略と似た言葉として「営業戦術」がありますが、営業戦術とは営業戦略を達成するための手段のことです。営業戦略に沿ってどのようなやり方で進めるのかといった具体的な手法のことを指します。

営業戦略自体について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

営業戦略とは?重要ポイントや立て方、進め方などを解説

営業戦略の立て方:5ステップのポイントや注意点

それではさっそく本題に入りましょう。営業戦略の立て方は、以下の通り5ステップに分けることができます。

  1. 目標を立てる
  2. ペルソナを明確にする
  3. カスタマージャーニーを考える
  4. 情報を収集して現状の課題を洗い出す
  5. KPIを設定して営業戦略の改善をおこなう

それぞれの工程について詳しく解説しましょう。

1.目標を立てる

営業戦略を立てるときは、まず目標を考えます。目標をしっかり定めないと、自社がこれからどのように成長するのか進むべき道が分からなくなってしまうからです。

そして、その目標は長期的な目標にするとよいでしょう。たとえば、3年後の売上や顧客人数などです。最終目標を示す「KGI」が用いられることが多くなっています。

2.ペルソナを明確にする

目標を立てたら、次に見込み顧客のペルソナを明確にします。

ペルソナとは、年齢や性別、職業、居住地、ニーズ、興味関心などの情報をもとにつくった架空の理想的な顧客像のことです。効果的な営業活動をおこなうための軸となります。

ただ単純に理想をつくりあげるのではなく、市場調査や顧客アンケート、クレームなどを活用して、自社に合ったペルソナを明らかにしていきましょう。

3.カスタマージャーニーを考える

次に、カスタマージャーニーを考えます。

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを知り、購入や利用の意思を持って実際に行動するまで、あるいは再購入や利用継続の意思決定をするまでに顧客が辿る一連の体験のことです。

どういった形で営業活動をクロージングして、購入や利用を維持してもらうか、具体的に考えましょう。アフターサービスやカスタマーサポートについても考慮しなければいけません。

4.情報を収集して現状の課題を洗い出す

続いて、自社のことはもちろん市場や競合他社のことも含めて情報を収集し、現状の自社の課題を洗い出します。

現状の課題を洗い出す際は、以下の3つのポイントに注意しましょう。

  • 客観的かつ信憑性のあるデータを活用する
  • ステークホルダーの意見を反映させる
  • 課題を多角的に分析する

具体的な課題としては、売上ダウンや市場シェアの減少、顧客からの評価悪化、従業員の長時間労働、優秀な人材の流出などが挙げられます。

5.KPIを設定して営業戦略の改善をおこなう

最後に、KPIを設定して営業戦略の改善をおこないます。以下のポイントに気を付けて、実現可能な範囲でKPIを設定しましょう。

  • 最終目標(KGI)に合わせた適切な指標を選ぶ
  • 複数の指標を組み合わせる
  • リアルタイムで進捗を図れることにする
  • 従業員のモチベーションを下げないようにする

KPIの目標例や設定方法、管理方法などについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

KPIの目標設定とは?運用方法や注意点、メリットなどを解説

営業戦略を立てるときに役立つ8つのフレームワーク

次に、営業戦略を立てるときに役立つフレームワークを紹介します。具体的には以下の8つです。

  • SWOT分析
  • MECE
  • 3C分析
  • 4P分析
  • ランチェスター戦略
  • パレートの法則
  • ファイブフォース分析
  • PEST分析

それぞれについて詳しく解説します。

SWOT分析

SWOT分析とは、以下の頭文字をとったものです。

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

営業戦略を立てるときは、内部環境だけでなく外部環境にも意識を向けないといけません。「Strength(強み)」と「Opportunity(機会)」に注力するだけでも、他社との差別化を図れます。

MECE

MECEとは、以下の頭文字をとったものです。

  • Mutually(相互に)
  • Exclusive(重複せず)
  • Collectively(全体的に)
  • Exhaustive(漏れなく)

重複することなく漏らさずに大きな課題を因数分解して、解決策を探っていくとよいでしょう。

具体的なアプローチの方法としては、「トップダウンアプローチ」と「ボトムアップアプローチ」の2つがあります。

大きな課題を因数分解するのは、トップダウンアプローチです。うまく思考できないのなら、ボトムアップアプローチに変え、その後、トップダウンアプローチで修正を加えるのもよいでしょう。

3C分析

3C分析とは、以下の頭文字をとったものです。

  • Customer(市場や顧客)
  • Competitor(競合)
  • Company(会社)

まず、「Customer(市場や顧客)」を徹底的に理解して分析することが重要です。

その後、「Competitor(競合)」と「Company(会社)」について考えて、より良い営業戦略を立てましょう。

4P分析

4P分析とは、以下の頭文字をとったものです。

  • Product(商品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(販売促進)

4P分析は、マーケティング戦略を立案するもので、3C分析などで得たデータをもとに戦略を立てるという位置づけです。

4P分析の視点で商品を分析すると「売れる仕組み」が見えてくるかもしれません。

ランチェスター戦略

ランチェスター戦略とは、もともと戦争の戦略立案に使われていたフレームワークで、第1法則と第2法則に分けられます。

第1法則は、弱者の戦略の考え方で、戦闘力は「武器効率(質)×兵力数(量)」で求めます。

対して、第2法則は、強者の考え方です。社員数にあたる「兵力数(量)」で勝っている企業が2位以下の弱者を寄せ付けないための方法で「武器効率(質)×兵力数(量)の二乗」で考えます。

ランチェスター戦略は、特に弱者の戦略として有名で、弱者の基本的な戦略は差別化です。

パレートの法則

パレートの法則とは「80:20の法則」とも呼ばれており、ビジネスシーンでは「売上全体の80%は、『20%の顧客の売上』あるいは『20%の社員に依存』で構成されている」と言われるものです。

商品やサービスの内容を考える際は、既存顧客の中でも、特に売上に貢献している20%の顧客に集中して追加サービスをおこなったりプレゼントしたりする戦略をとることも考えるとよいでしょう。

ファイブフォース分析

ファイブフォース分析とは、自社の脅威である、以下の5つの要素を分析し、市場や競合他社などの状況を理解したり収益構造を明らかにしたりするフレームワークです。

  • 業界内の競合の脅威
  • 買い手の脅威
  • 売り手の脅威
  • 新規参入の脅威
  • 代替品の脅威

競合他社との競争具合を把握し、自社の強みや潜んでいる課題の発見に役立てます。

また、ファイブフォース分析をおこなうことで、業界構造を把握でき、その業界に新規参入するべきか、事業撤退するべきか判断することもできます。

PEST分析

PEST分析とは、以下の頭文字をとったものです。

  • Politics(政治)
  • Economy(経済)
  • Society(社会)
  • Technology(技術)

外部環境を政治・経済・社会・技術の4つの要素に分解し、自社に与える影響を読み解きます。

マーケティング戦略や施策の方向性を明確にして、市場の将来性や変化を予測するのに役立ちます。

まとめ

本記事では、営業戦略の立て方を5ステップに分けて解説し、営業戦略を立てるときに役立つ8つのフレームワークを紹介しました。

最初のステップである「目標を立てる」「ペルソナを明確にする」という工程でも、現状を正しく把握することが重要です。

自社が保有しているデータを十分に活用しましょう。そのために、データ取得の自動化を図るツールの導入も検討してみるとよいでしょう。

KPI管理ツール「Quantee」ならデータを活用しながらスムーズな目標管理を実現できます。ぜひ、以下から詳細を確認してみてください。

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