デジタルマーケティングは、現代の企業戦略に欠かせない手法です。デジタルマーケティングの責任者になったばかりの方は、どのようなKPI（Key Performance Indicator）を設定したらいいかわからないでしょう。

そこで今回は、デジタルマーケティングで使われるKPIと、その設定方法について解説していきます。これからデジタルマーケティングに取り組む方は、最後まで読み進めてみてください。

デジタルマーケティングで使われるKPI一覧

デジタルマーケティングでは、さまざまなKPIを用いて施策やWebサイトの効果を測定します。今回は、代表的なKPIを13種類紹介していきます。

KPI設定で迷っている方は、参考にしてみてください。

CPA（顧客獲得単価）

CPAは、顧客を獲得するために企業が費やしたコストのことです。

CPAは、マーケティングキャンペーンや広告の効率を測るために使用される指標です。CPAが低い場合、コスト効率の良いマーケティング戦略ができています。

具体的には、広告費用やプロモーションに関わる経費を新規顧客数で割って値を算出します。CPAを把握することで、マーケティング戦略の調整や予算配分の最適化に役立つでしょう。

CVR（コンバージョン率）

CVRは、訪問者がWebサイトで商品購入やメルマガ登録、資料ダウンロードや商品購入などをおこなった割合を示す重要な指標です。CVRは、Webサイトやランディングページの効果を測定するために用いられます。

CVRが高い場合は、ターゲットとなる顧客に魅力的なコンテンツ提供やオファーができていることを意味します。CVRを最適化するためには、ページのユーザビリティ改善や、ターゲットユーザーのニーズに合わせたコンテンツの提供などが有効です。

ROAS

ROAS（Return On Advertising Spend）は、広告に投じた費用に対する収益の割合を示す指標です。ROASは、特定の広告キャンペーンやマーケティング戦略がどの程度効果があったかを判断する際に役立ちます。

ROASは売上高を広告費で割って計算され、数値が高いほどその広告は効率的だと判断されます。ROASを最適化するためには、ターゲットの選定、魅力的な広告デザイン、適切な広告プラットフォームの選択などが重要です。

エンゲージメント率

エンゲージメント率は、とくにSNSマーケティングにおいて重要な指標です。エンゲージメント率は、フォロワーや訪問者が投稿に対してどの程度いいねやシェア、コメントなどをしているかを示します。

高いエンゲージメント率は、広告が受け手に受け入れられていることを意味しており、ブランドのリーチや影響力の拡大を促します。エンゲージメント率を高めるためには、ターゲットに共感や関心を引き起こす内容の提供や適切な投稿時間の選定、効果的なビジュアルやメッセージの使用が重要です。

CTR（クリック率）

CTR（Click Through Rate）は、特定のリンクや広告が表示された回数に対して、何回クリックされたかを示す指標です。CTRは、広告やメールキャンペーンの効果を測定するために用いられます。

高いCTRは、ターゲットにとって魅力的で関連性の高い広告を提示できているという意味です。CTRを高めるためには、魅力的な広告デザインやキャッチコピー、適切なターゲットの設定が重要になります。

PV（ページビュー）数

PV数は、Webサイトや特定のページが訪問された回数を示す指標です。PV数は、Webサイトの人気度やコンテンツの魅力を測定するために使用されます。

PV数が増えると、Webサイトやコンテンツが多くの訪問者にとって魅力的になっていることを意味します。そのため、SEO（検索エンジン最適化）やコンテンツマーケティングの効果を反映する指標といえるでしょう。

セッション数

セッション数は、一定期間内にWebサイトを訪れた訪問回数を指す指標です。セッション数は、Webサイトのトラフィックの規模と質を理解するために重要です。

セッション数が増加すると、Webサイトが定期的に新規およびリピート訪問者を惹きつけていることを示します。セッション数を増加させるためには、Webサイトの設計やコンテンツの質の見直し、ユーザーエクスペリエンスの改善などが鍵となります。

リピート率

リピート率は、顧客が繰り返し商品購入やサービスを利用する割合を指す指標です。高いリピート率は、顧客満足度が高く、長期的な顧客関係が構築されていることを示します。

リピート率を向上させるためには、顧客に対するアフターフォローや品質の高い商品やサービスの提供、顧客の声に耳を傾けた改善策の実施が重要です。

解約率

解約率は、サブスクリプションモデルなどのサービスを顧客が解約する割合を示す指標です。解約率が低いということは、顧客満足度が高く、継続してサービスを利用していることを意味します。

解約率を低減するためには、顧客サポートの向上や定期的な顧客とのコミュニケーション、顧客ニーズに合わせたサービスの改善が必要です。

回遊率

回遊率は、Webサイト内でユーザーが複数のページを訪れる割合を示す指標です。回遊率は、Webサイトの使いやすさやコンテンツの魅力を測定する際に役立ちます。

高い回遊率は、ユーザーがWebサイト全体に興味を持ち、さまざまなコンテンツを探索していることを意味します。回遊率を上げるためには、ユーザー体験の向上や関連コンテンツの提供、ナビゲーションの改善などが有効です。

離脱率

離脱率は、訪問者がWebサイトの特定のページから離れた割合を示す指標です。離脱率が低いということは、Webサイトのコンテンツが訪問者の関心を引きつけていることを意味します。

離脱率を下げるためには、Webサイトの設計やコンテンツの見直し、ユーザー体験の最適化が重要です。

直帰率

直帰率は、Webサイトに訪れたユーザーが最初のページのみを見てサイトを離れる割合を指します。直帰率が低い状態は、初めての訪問者がWebサイトに興味を持ち、複数のページを閲覧していることを示しています。

直帰率を下げるためには、ユーザーの興味を引くコンテンツの提供や最適なナビゲーション、シンプルかつ魅力的なデザインの導入が効果的です。

UU（ユニークユーザー）数

UU数は、特定の期間内にWebサイトを訪れた独立した訪問者の数を指します。UU数が増えるということは、新規の訪問者が増加していることを意味し、マーケティング施策の成功を意味します。

UU数を増加させるためには、広告キャンペーンやSEO戦略の最適化、SNSでのプロモーションなどが必要です。

デジタルマーケティングを成功させるKPIの設定方法

デジタルマーケティングに欠かせないKPIは、正しく設定しないと効果が半減してしまいます。KPIの設定方法は、以下のとおりです。

1. KGIの設定
2. KSFの設定
3. KPIの設定
4. KPIツリーの作成

それぞれの設定方法について、詳しく解説していきます。

KGIの設定

KGI（Key Goal Indicator）は、企業や組織の最終目標を数値化した指標です。デジタルマーケティングにおいては、KGIの達成が売上増加や市場シェアの拡大、ブランド認知度の向上などに関連します。

KGIを設定する際は、具体的で測定可能な指標を選びましょう。そのKGIと、企業や組織の戦略が整合性を持つように設定します。

KSFの設定

KSF（Key Success Factor）は、組織がKGIを達成するために必要な重要成功要因を指します。KSFには、高品質な製品やサービスの提供、効果的な顧客関係管理や革新的なマーケティング戦略などが含まれます。

KSFを明確に設定することで、企業は重点を置くべき領域を特定してリソースを適切に配分できるでしょう。

KPIの設定

KPIは、KGIとKSFを達成するための重要業績評価指標です。KPIは短期から中期の目標に焦点を当て、企業全体や個人のKPI達成度を評価するために用いられます。

KPIの例としては、Webサイトの訪問者数やリードの獲得数、コンバージョン率の向上などが該当します。KPIには測定可能で達成可能な指標を選び、定期的な評価と改善が必要です。

（内部リンク：KGI・KPI・KSFとは？設定方法と具体例を解説）

KPIツリーの作成

KPIツリーは、KPIやKGI、KSFとどのようにリンクしているかを視覚的に示すツリー状の図です。KPIツリーを作成することで、各KPIが全体的なビジネス目標にどのように関係しているかを理解しやすくなります。

また、異なるKPI間の相互関係や影響も明確になるので、より効果的な戦略調整と業務の効率化が可能になります。

（内部リンク：KPIに設定する指標の選び方は？KPIツリーの作り方も解説）

デジタルマーケティングのKPI管理におすすめのツール

デジタルマーケティングのKPI管理には、専用の管理ツール「Quantee」がおすすめです。Quanteeは、セールスとマーケティングにおけるKPIを一元管理できるので、マーケティング戦略の効果測定に最適です。

設定したKPIは、グラフやチャートを用いて容易に見える化できるので、管理者や経営者がすぐに状況を把握しやすくなります。とくに重要なKPIは、カスタムダッシュボードに任意で配置できるのでKPI管理しやすくなるでしょう。

まとめ：デジタルマーケティングのKPIは効率よく管理していこう

デジタルマーケティングでのKPI管理は、マーケティング戦略の効果測定と改善に重要な指標です。KPIを設定する際は、KGIを先頭にしたKPIツリーを作成してそれぞれの指標を階層化してみてください。

指標を階層化することで相互関係が明確になり、マーケテイング戦略を立てやすくなります。KPI管理を効率化するためには、専用ツールのQuanteeがおすすめです。

KPIを効率よく管理して、デジタルマーケティングの成果を最大限に高めていきましょう。