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目標管理制度(MBO)とは?運用方法やメリット・おすすめツールを紹介

組織マネジメントに取り組む際に実施したい手法として、目標管理制度(MBO)があります。目標管理制度(MBO)は著名な経営学者のピーター・ドラッカーが提唱したマネジメント手法で、さまざまな企業で導入されています。

しかし目標管理制度(MBO)は、管理者が正しく意味や目的を理解していなければ、成果を出すことはできません。

そこで本記事では、目標管理制度(MBO)の意味や具体的な運用方法について解説します。組織マネジメントにお悩みの管理職の方はぜひ最後までご覧ください。

目標管理制度(MBO)とは

目標管理制度(MBO)は1950年代にアメリカの著名な経営学者ピーター・ドラッカーが提唱したマネジメント手法です。ここではMBOの意味と、混同されることの多いOKRとの違いについて解説します。

MBOの意味

MBOは「Management by Objectives」の略で、日本語では「目標管理」を意味します

目標管理の手法はMBOのほかにもOKRやBSCなど複数存在しますが、MBOの特徴は従業員が主体となって目標を設定・実行・管理する点が挙げられます。従業員自らが目標を設定し、達成までのプロセスを管理する(上司はそのサポートをする)ことで、個々の自主性やスキル、モチベーションの向上などの効果を見込めるのです。

マネージャー側は、従業員の目標達成度やどのようなプロセスを歩んだのかを元に評価を実施し、従業員にフィードバックを行います。

OKRとの違い

MBOと混同される目標管理手法としてOKRが挙げられます。OKRは「Objectives and Key Result」の略で、日本語では「目標と主要な成果」と表現されます。

MBOは個人が主体となって目標設定を行いますが、OKRは全社目標を「企業→チーム→個人」へとブレイクダウンする方式が採用されている点がおもな違いです。その他の違いを下記表にまとめました。

MBO OKR
目標 企業・組織の目標とリンクした個人目標(従業員自らが設定する) 全社目標からブレイクダウンした個人目標
サイクル期間 半年~1年 3ヶ月
共有対象 部下とマネージャーで共有 全社員で共有
目標の達成基準 100%の達成率 60~70%程度の達成率

人事評価に活用したいならMBO、事業の方向性を示したいならOKRなど、目的に合わせて目標管理の手法を選択することが重要です。

目標管理制度(MBO)のメリット

目標管理制度(MBO)のメリットは下記の4点です。

  • 目標管理を行う
  • 従業員のモチベーションが向上する
  • 従業員のスキルアップにつながる
  • 人事評価を行いやすい

従業員のモチベーションが向上する

目標管理制度(MBO)のメリットとして、従業員のモチベーションが向上することが挙げられます。

多くの場合、従業員は上司が決めた目標に向けて業務に取り組みますが、このように他人が決めた目標では「命令されているようでやる気が出ない」「目標を達成するメリットがわからない」とモチベーションが低下してしまいます。

MBOは従業員自らが目標を設定し、評価していく自主性の高い仕組みのため、従業員が自社の中での立ち位置や役割を再確認しやすく充実感を得ることができるのです。

またMBOは人事評価に活用されるケースも多く、目標の達成度が給与や昇進に直結することからモチベーションを高めやすい手法といえます。

従業員のスキルアップにつながる

目標管理制度(MBO)は従業員のスキルアップにも効果的です。MBOは自発的な行動をもって目標を達成していくマネジメント手法であり、自主性が養われます。

また目標設定後は定期的に面談が設定され、上司からのフィードバックを受けられます。客観的な意見を得られるため、従業員は自分の弱点や得意分野が分かり、スキルアップに役立てることができるでしょう。

人事評価を行いやすい

目標管理制度(MBO)は、多くの企業で人事評価に使われています

MBOでの人事評価は従業員が設定した目標の達成度を基準に行われており、この目標は数値によって管理されています。具体的な指標によって評価を下せるため透明性の高い人事評価を実施でき、従業員の納得感を得やすいでしょう。

目標管理制度(MBO)の運用方法

目標管理制度(MBO)は、下記4ステップで運用されます。運用の流れを確認して、自社の目標管理に生かしましょう。

  1. 目標を設定する(従業員)
  2. 目標達成のための行動プランを立て、実行する(従業員)
  3. 進捗を管理する(上司)
  4. 評価・フィードバックを行う(上司)

1. 目標を設定する(従業員)

目標管理制度(MBO)では、従業員自らが目標を設定します。

しかし個人目標はいきなり設定するのではなく、まずは従業員に組織目標を理解してもらい、組織目標に関連のある目標を考えてもらうことが重要です。

組織に貢献できる目標を自主的に考えることで、企業の一員としての意識が芽生え、モチベーションを高めることができるでしょう。

2. 目標達成のための行動計画を立て、実行する(従業員)

個人目標を設定したら、次は目標を達成するための行動計画を立て、実行していきます

行動計画は目標から逆算して考え、月や週ごとの行動に細分化することで目標達成までの具体的なプロセスを構築することができます。

3. 進捗を管理する(上司)

上司は、従業員が設定した行動計画をもとに進捗を管理します。

目標管理制度(MBO)は従業員の主体性を尊重するマネジメント手法ですが、従業員に任せきりでは成果を得られません。従業員とコミュニケーションを取り、進捗が遅れている場合は適切な助言を行う必要があります

4. 評価・フィードバックを行う(上司)

目標管理制度(MBO)では、半年に一度、もしくは一年に一度の頻度で評価とフィードバックを行います

その際、目標が達成できたかだけでなく、目標達成までにどのようなプロセスを組み立てたかや、どのような行動を取ったかも含めて評価することが重要です。また従業員の納得を得られるよう、客観的な指標をもとに評価を行うようにしましょう。

目標管理制度(MBO)で効果的な目標を設定するコツ

目標管理制度(MBO)では、適切な目標を設定することが大切です。下記3点を意識して目標設定を行いましょう。

  • 組織目標と関連付ける
  • 定量的・具体的な指標であるか確認する
  • 実力と大きく乖離した目標にしない

組織目標と関連付ける

目標管理制度(MBO)は、従業員が主体となって目標を設定します。しかし、この際組織目標と関連のない目標を設定してしまうと、組織目標を達成できなくなってしまいます。

従業員には必ず組織目標を理解してもらい、そのうえで個人目標を立ててもらうようにしましょう。また管理者側は従業員が設定した目標を必ず確認し、適切な目標設定を行えるようアシストする必要があります。

定量的・具体的な指標であるか確認する

目標管理制度(MBO)で設定する目標は、定量的かつ具体的な目標にしましょう。目標設定時は「SMARTの法則」を満たしているか確認することをおすすめします。

SMARTの法則とは、立てた目標を“Specific”, “Measurable”, “Achievable”, “Related”, “Time-bound”の5つの基準と照らし合わせ、効果的かつ達成可能な目標かどうかを判断するフレークワークのことです。

  • Specific(具体的に):誰が読んでも理解できる明確かつ具体的な目標か
  • Measurable(測定可能な):目標の達成度合いを判断できるような定量的な目標か
  • Achievable(達成可能な):達成可能な現実的目標か
  • Related(経営目標に関連した):自社の方針や部署の目標に沿っているか
  • Time-bound(時間制約がある):達成期限が明確か

定量的・具体的な指標を目標にすることで、従業員は目標を追いやすく、管理者側は客観的かつ公平に評価を行えるメリットがあります。

実力と大きく乖離した目標にしない

目標管理制度(MBO)では、実力と大きく乖離した目標は避けるべきです。

実力より少し難しいレベルの目標を設定することで、従業員に過度な負荷がかかることなく目標達成のための行動に集中できるでしょう。その結果、従業員のモチベーションの維持やスキルアップにつながります。

おすすめの目標管理ツール

目標管理制度(MBO)に取り組む際は、目標管理ツールを活用することでマネジメントを効率化できます。ここではおすすめの目標管理ツールとして、下記3つのツールを紹介します。

  • Quantee
  • HRBrain
  • スマカン

Quantee

Quanteeはオンライン/オフライン施策に関わらず全ての活動を数値化できるKPIマネジメントツールです。

目標設定機能が搭載されており、メンバーごとに各指標における目標を設定することができます。チーム内で共有できるダッシュボードを作ることも可能で、メンバーが指標を確認しながら行動することで、生産性を高められます。

Quanteeの詳細はこちら

HRBrain

HRBrainは人事・労務業務の効率化や人材データの管理・分析を行うタレントマネジメントツールです。

目標管理や人事評価の機能が搭載されており、業務効率を向上できます。シンプルな操作性で誰でも簡単に操作できるため、初めて目標管理に取り組む企業におすすめです。

HRBrainの詳細はこちら

スマカン

スマカンは人材情報を一元管理・見える化し、従業員のスキルに合わせた育成や、企業と個人の成長につながる人材戦略をサポートするクラウド人事システムです。

目標管理では「組織目標管理」「個人目標管理」の2つの機能が搭載されており、各組織・個人で目標を管理できます。

スマカンの詳細はこちら

目標管理で組織の生産性を向上させよう

目標管理制度(MBO)とは、従業員自らが目標を設定し、目標の達成度で評価を行う人事制度のことです。目標管理制度(MBO)に取り組むことで、従業員のモチベーションやスキルの向上が見込めるでしょう。

しかし目標管理制度(MBO)は従業員に任せきりの目標設定・管理では成果を得られません。従業員の主体性を尊重しつつ適切な目標を設定し、進捗確認を行いながらフィードバックを実施することが求められます。

従業員・管理者の双方が効率的に作業を行うためには、目標管理ツールの導入がおすすめです。

KPIマネジメントツール「Quantee」ならメンバーごとに目標設定が可能で、進捗状況を一目で確認できます。管理のフォーマット統一もできるため、進捗確認の無駄なやりとりをなくし、データ集計管理工数0を実現できます。

Quanteeの詳細はこちら

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