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KPIの設定方法5ステップ|注意点や数値化できない目標の対応も解説

 

「KPIの設定方法が分からない」「正しくKPIを設定できているか不安」 このようにお悩みの管理職・マネージャーの方は多いものです。 

しかしKPI設定はメンバーのモチベーションを左右する重要な指標です。的外れな目標を立ててしまえば、当然成果を出すことは難しいでしょう。

 そこで本記事では、KPIの設定方法を5ステップで解説します。 設定段階の注意点や数値化できない目標の対応についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

KPIとは簡単にいうと「中間目標」のこと

KPI(Key Performance Indicator/キー・パフォーマンス・インジケーター)とは、日本語では「重要業績評価指標」「主要業績評価指標」と訳される指標のことです。
簡単にいうと
KPIは「ゴールまでのプロセスにおける中間目標」と表現できるでしょう。

たとえば「昨年対比130%を達成する」というゴールに対して、これを達成するために「新規商談数●件」「顧客単価を●円から●円に引き上げ」という中間目標を立てます。
この中期目標がKPIです。

また最終的なゴールのことをKGI(Key Goal Indicator/キー・ゴール・インジケーター)といいます。前述のKGI、KPIの例を整理すると下記のようになります。

  • KGI:昨年対比130%を達成する
  • KPI①:新規商談数●件
  • KPI②:顧客単価を●円から●円に引き上げ

KPIの基本的な知識については、下記の記事でご覧ください。

関連記事:【基礎知識】KPIとは|設定方法やKGIとの違いを詳しく解説

KPIの設定方法5ステップ

KPIの設定方法を、下記の5ステップで解説します。

  1. KGIを設定する
  2. KGI達成のために必要な要素を洗い出す
  3. 2で洗い出した要素をもとにKPIを設定する
  4. KPIの実現に必要なアクションを考える
  5. アクションの実行と効果測定・改善を繰り返す

1. KGIを設定する

まずは最終目標であるKGIを設定しましょう。
最終目標がなければ、達成に向けてどのような行動をいつまでに取ればいいのかを決定できず、適切なKPIを設定できません。

KGIは定量的で達成可能であることが前提であるため、「いつまでに・何の数値を・どのくらい達成させるか」を明確に設定しましょう

ここでは「12月のECサイト月間売上150万円達成」をKGIとします。

2. KGI達成のために必要な要素を洗い出す

KGIから逆算し、達成するためにはどのような要素が必要かを洗い出します。
この要素をKSF(Key Success Factor/キー・サクセス・ファクター)といい、たとえば「12月のECサイト月間売上150万円達成」がKGIなら「購入者数増」「顧客単価の引き上げ」などがKSFとして考えられます。

このように最終的な目標から逆算して考えることで、無駄なタスクの削減が可能です。
不必要なリソースの消費を防げるため、各メンバーがより効率的に行動できるようになるでしょう。

ここからの工程は、KPIツリーと呼ばれるフレームワークを用いて行います。
KPIツリーとは、KGIを頂点に置き、KGI達成のために構成されるKPIを樹形図にして可視化したもののことです。

先の例をKPIツリーに落とし込むと、下記のようになります。

3. 2で洗い出した要素をもとにKPIを設定する

2で洗い出した要素をもとに、KPIを設定します。

このとき役立つのが、「SMARTの法則」です。
SMARTの法則とは、立てた目標を“Specific”, “Measurable”, “Achievable”, “Related”, “Time-bound”の5つの基準と照らし合わせることで、効果的かつ達成可能な目標かどうかを判断するフレークワークをいいます。

  • Specific(具体的に):誰が読んでも理解できる明確かつ具体的な目標か
  • Measurable(測定可能な):目標の達成度合いを判断できるような定量的な目標か
  • Achievable(達成可能な):達成可能な現実的目標か
  • Related(経営目標に関連した):自社の方針や部署の目標に沿っているか
  • Time-bound(時間制約がある):達成期限が明確か

上記5つの要件と照らし合わせ、適切なKPIを設定できているか判断しましょう。

たとえば「12月のECサイト月間売上150万円達成」をKGI、「購入者数増」「顧客単価の引き上げ」をKSFに設定した場合のKPI例は、下記のようになります。

4. KPIの実現に必要なアクションを考える

KPIを設定したら、KPIを実現させるためのアクションプランを書き出します。

たとえば「ECサイト訪問数を●%増やす」というKPIに対しては、SNS運用やSEOに取り組むことが具体的なアクションです。
KPI達成に向けて必要な業務を洗い出し、優先度が高い業務を実行していきましょう

3のKPIツリーにアクションプランを追加したものが下記になります。

H3 5. アクションの実行と効果測定・改善を繰り返す

KPIを業務に落とし込み、実行していきます。

このとき、設定したKPIはチーム全体に共有しましょう。
KPIを共有することで各メンバーの役割や業務が明確になり、フォロー体制の構築やメンバーのモチベーション向上につながります

またKPI達成のためには、アクションを実行するだけでなく、定期的な観測と目標の見直しも必要不可欠です。
管理者やマネージャーが効率よくKPIを管理するなら、KPI管理ツールの導入も考えるべきでしょう。

KPIの管理方法や管理ツールについては、下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

関連記事:【管理職向け】KPI管理の手順やポイントは?4つの管理ツールも紹介

KPI設定の例

ここからは、業務・部門ごとのKPI設定例を紹介します。

  • 営業活動
  • Webマーケティング
  • ブランディング
  • 採用活動

営業活動

営業活動は企業の売上に直結することからKPI設定の重要度が高く、適切なKPIを設定することで、売上高や営業利益といったKGIを達成できるようになります。

営業活動のKPI例は以下のとおりです。

営業活動のKPI例
  • アポイント数
  • 商談数
  • 新規リード獲得数
  • 新規顧客数
  • 新規見込み顧客数
  • 平均新規顧客単価
  • 新規顧客売上
  • 平均既存顧客単価
  • 既存顧客売上
  • リードタイム
  • 解約件数

Webマーケティング

一言でWebマーケティングといってもさまざまな施策が存在しますが、施策ごとに適切なKPIを設定することがKGI達成の鍵となります。

ここでは、Web広告、オウンドメディア、ECサイトの3つの施策のKPI例を紹介します。

WebマーケティングのKPI例 1. Web広告
  • クリック率
  • クリック単価
  • CV数
  • CPA(顧客獲得単価)
  • ROAS(広告の費用対効果)
2. オウンドメディア
  • 検索順位
  • UU数
  • セッション数
  • PV数
  • 滞在時間・スクロール率
  • 回遊率・直帰率
  • SNSのシェア数
  • コンテンツの配信本数
  • 問い合わせ数
  • サービスサイトへの送客数
3. ECサイト
  • セッション数
  • 回遊率
  • LTV(顧客生涯価値)
  • CV率
  • 購入単価
  • リピート率

ブランディングは成果が見えにくい取り組みですが、目標を数値化することで施策を効率的に進められます。

ブランディングのKPI例は下記のとおりです。

ブランディングのKPI例
  • ブランド認知度
  • 顧客ロイヤルティ

採用活動

採用の難化が進んでいる昨今では、採用活動においてもKPIを設定することで、自社にマッチする人材の採用や離職率低下をめざせます

採用活動のKPI例は下記のとおりです。

採用活動のKPI例
  • 応募者数
  • 選考通過人数・通過率
  • 面接実施数・実施率
  • 内定承諾数・内定率
  • 内定辞退数・内定辞退率
  • 採用チャネルごとの費用対効果
  • 採用コスト
  • 採用単価

KPI設定時に注意するべきポイント

KPI設定を行う際は、下記の3点に注意しましょう。

  • KGIに関連性を持たせる
  • KPIの数は最低限にする
  • 定期的に見直しや改善を行う

KGIに関連性を持たせる

KPIは必ずKGIと関連性を持たせましょう。前提として、KPIはKGIを達成させるための中間指標です。KGIから逆算して考えることで、ゴールに向けて最短距離で行動できるようになります。

KGIと関連のないKPIを設定してしまうと、不要なタスクが生まれることによって、リソースが無駄に消費されてしまいます
メンバーのモチベーション低下にもつながるため、KPIは過程、KGIはゴールであることを理解し、適切な指標を設定しましょう。

KPIの数は最低限にする

KPIはあまり多く設定しすぎないことが大切です。
多すぎるKPIはメンバーにとって重荷となりやすく、業務効率やモチベーション低下につながります。

またKPIが増えれば、必然的に管理者の負担も増えます。
管理者の業務効率が低下すれば、戦略の見直しや改善の判断ができなくなる可能性も。

同一組織、同一施策であればKPIは原則1つが好ましいですが、多くなってしまうケースでも2、3個以内に絞りましょう

 

定期的に見直しや改善を行う

KPIは設定するだけでは不十分であり、定期的な見直しや改善が必要不可欠となります。

なぜなら設定したKPIが必ずしも達成できるとは限らず、計画の進捗に応じて目標の見直しや優先順位の入れ替えを行う必要があるからです。
定期的に効果計測することで進捗を把握でき、KGI達成に向けて適切な改善策を打ち出せるようになるでしょう。

またKPIの進捗を管理するなら、マネジメントツールの導入をおすすめします。

KPIマネジメントツールQuanteeは組織階層ごと、施策階層ごとに見たい指標の設定と進捗管理ができる、セールスマーケ全領域マネジメントツールです。
「チームや施策別に適切なKPI管理ができていない」「プロジェクトの進捗がリアルタイムに終えていない」とお悩みの管理職・マネージャーの方は、ぜひQuanteeをお試しください。

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KPI設定で目標を数値化できないときの対応方法

KPI設定は「具体的かつ定量的な目標を立てること」が大切ですが、なかには数値化できない目標もあります。

ここでは目標を数値化できないときの対応方法を解説します。

課題解決後の結果を数値化する

課題解決後の結果に着目し、数値化する方法です。
たとえば「接客品質の改善」が必要な場合、接客の品質が向上すればどのような結果が見込めるかを考えることで、定量的な指標を導き出せます。

この場合、新規顧客増加率やリピート率を計測し、改善していくことで、「接客品質の改善」というKPI達成につながります。

課題解決のための行動を数値化する

課題解決のための行動に着目し、それを数値化する方法です。
たとえば部署単位でのパフォーマンス改善を目的とし「社内のコミュニケーション改善」が必要とされている場合、コミュニケーション
改善のためにどのような行動を取るべきかに着目し、定量的な指標を定めます。

この場合、たとえば部下からの1on1ミーティング打診回数を計測し、打診回数が増えるよう改善策を講じていくことで、当初の目標である「社内のコミュニケーション改善」達成に近づくでしょう。

アンケートや調査の結果を数値化する

結果や行動を数値化できない場合、第三者へのアンケート・調査を実施し、その結果を数値化する方法もあります。

たとえば「顧客満足度の向上」がKPIの場合、顧客アンケートを実施し、自社のサービスについて10段階で評価してもらうことで、目に見えない顧客満足度という指標を数値化できます。

設定したKPIを効率的に管理するならQuanteeがおすすめ

KPIはKGIから逆算してロジカルに考えるべきです。
適切にKPIを設定することで、最終的な目標であるKGI達成の可能性が高まります。

またKPI設定後は定期的な振り返りを行い、改善を繰り返すことが重要となります。
効率的に進捗を管理するなら、いまやツールの活用が必須
といえるでしょう。

Quanteeならセールス・マーケティング全領域におけるKPI進捗管理が可能です。
領域ごとにバラバラに管理していたものを一元管理できるため、管理者・マネージャーの工数を大幅に削減できます。

Quanteeについて、詳細は下記よりご覧ください。

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