KPIの書き方を一から解説!得られるメリットも紹介
KPIを導入したいと考えても、肝心の書き方が分からないと何も始まりません。
また、KPIの書き方一つで最終目標を達成できるか、複数のメリットを得られるかどうかが決まります。
そこでこの記事では、KPIの書き方を知りたい方向けに書き方の手順と、KPIを書いたら得られるメリットを基礎から解説していきます。KPIの導入を検討している経営者、管理者の皆様は参考にしてみてください。
KPIの書き方
KPI(キーパフォーマンスインジケーター)の書き方は、以下の手順で行います。
-
- 現状把握
-
- KGIの設定
-
- KSFの設定
-
- KPIの設定とKPIツリーの作成
それぞれの書き方を詳しく解説していきましょう。
1:現状把握
最初に行うのは現状把握です。現状の課題や状況が理解できていないと、どんな指標を作ったらいいか判断できないからです。
現状分析を行う際は、「3C分析」や「SWOT分析」などのフレームワークを用います。
3C分析は、以下の3つの文字の頭文字を取ることから名づけられました。
-
- 市場・顧客(Customer)
-
- 競合(Competitor)
-
- 自社(Company)
SWOT分析は、以下の文字の頭文字から名づけられています。
-
- 強み(Strengths)
-
- 弱み(Weaknesses)
-
- 機会(Opportunities)
-
- 脅威(Threats)
特に、SWOT分析では、自社を内部環境(強みと弱み)と外部環境(機会と脅威)に分けて整理できるので、より客観的な分析を行えます。
現状把握は、些細なことまで可視化することが必要です。
2:KGIの設定
現状が把握できたら、次はKPIではなくKGI(キーゴールインジケーター)の設定を行います。
KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、ゴールと書いてある通り企業や部署の最終的な目標にあたります。
先にゴールとなるKGIを設定する理由は、逆算がしやすくなるからです。
最終的な売上目標や顧客数を設定すれば、中間指標にあたるKPIでも月の売上や新規顧客数を設定できます。
KGIが少し変わるだけで、KPIは大幅に変わることがあります。そのため、先にKGIを設定することがKPI設定での鉄則です。
3:KSFの選定
KGIを達成したら、次はKGIを達成するために必要なKSF(キーサクセスファクター)を考えます。
KSFは「Key Success Factor」の略で、日本語では「重要成功要因」と呼ばれています。
例えば、KGIが売上高の達成ならば、KSFは「顧客単価のアップ」や「新規顧客の獲得」などが適切です。
「リピート客の増加」も売上高を達成するKSFとして候補となります。
このKSFは、できるだけ細分化して設定しておくことで、後々のKPIの階層分けにも役立ちます。
4:KPIの設定とKPIツリーの作成
KSFを設定したら、次はKPIの設定です。KSFで顧客単価のアップを設定しているならば、KPIでは具体的な期限や数値を設定します。
このKPIを達成するとその先にKGIの達成が待っている、そのように指標に一貫性を持たせることが大切です。
KPIを設定する際はKPIツリーと呼ばれている独自のロジックツリーを使用します。
KPIツリーを使って階層的にKPIを配置していくことで、後の見直しや改善を行う際も指標が可視化できて便利です。
KPIを書くと得られるメリット
KPIを書くと、以下のようなメリットを得られます。
-
- 行動が明確になる
-
- 客観的なデータで判断できる
-
- 生産性とモチベーションが向上する
-
- KGI達成への進捗が分かる
KPIの恩恵を最大限に受け取れるように、それぞれのメリットを紹介していきます。
行動が明確になる
KPIを書くと、個人がとるべき行動が明確になるのがメリットです。
KPIはKGIと違って中間目標になるので、その中間目標を達成するために何をすべきかが分かりやすくなります。
「月の契約数〇件」というKPIがあれば、残りの稼働日でどのように契約を取ったらいいか判断できるでしょう。
他のKPIであっても逆算をしやすいので、行動が明確になって時間を有効に使えます。
客観的なデータで判断できる
KPIに設定する指標は、誰が見ても公平な数値なので評価基準として最適です。
KPIは主観的な感情や曖昧なデータを使わないので、不平不満を防いで社員間の溝を作りません。
また、社員は何をすれば評価されるかが分かるため、結果を求めやすいのもメリットです。契約数がKPIに設定されているなら、契約数をクリアするのが一番評価されるでしょう。
公平なデータは、働く側にとっても管理する側にとっても重要な指標となります。
生産性とモチベーションが向上する
KPIを設定すると、生産性とモチベーションが向上します。
KPIがあれば目標の優先順位が決まるので、今すべきことと次にすべきことが順を追って見えてくるからです。
無駄のない行動ができるので生産性が向上し、常に目標が目の前にあるのでモチベーションを高い状態で維持できます。
KGIのような長期的目標だけでなく、KPIのような中期的な目標を活用することで、日々の業務の効率を上げることができます。
KGI達成への進捗が分かる
KGI達成への進捗が分かりやすいのも、KPIのメリットです。
中間地点であるKPIに期限と具体的な数値を入れることで、KGI達成まであとどのくらいか、何が問題なのかを可視化できます。
KPIの時点で達成が難しい場合は、早期の改善が必要な状況です。そんな早めの軌道修正の判断ができるのも、KPIがあってこそです。
KPIの書き方に活かせる「SMARTの法則」
KPIの書き方に活かせる「SMARTの法則」をご存じですか?SMARTの法則は、KGIとKPIを設定する際に必要な事柄の頭文字を取った法則です。
-
- Specific(明確な)
-
- Measurable(測定可能な)
-
- Achievable(達成可能な)
-
- Relevant(関連した)
-
- Time-bounded(期限が定められた)
Specificは、誰が見ても分かるほどの明確かつ具体的な目標という意味です。企業や部署内の社員が共有できる目標でないと、同じ行動は起こせません。
Measurableは、一定期間内で測定できる指標であるという意味です。定期的な測定を行うことで、社員同士の比較を行って改善案を見つけやすくなります。
Achievableは、現実的に達成できる指標のことです。KPIは、高すぎて達成不可能でも低すぎてすぐ達成できてしまう指標でもいけません。
Relevantには関連という意味があります。つまり、KGIとKPIに関連性が低いと、最終目標が達成できないことを意味しています。
最後のTime-boundedは、名前の通り期限のことです。「いつまでにどれくらい」これが決まっていないと、どんなKGIやKPIを定めても達成には至らないでしょう。
KPIの書き方をマスターして目標達成をしよう
KPIの書き方を覚えると、最終目標を達成しやすくなります。常に指標を持ちながら業務を行うので、無駄のない行動と適度なモチベーションが維持できるからです。
KPIを書く際はSMARTの法則に従ってみると、より最終目標を達成しやすいKPIが書けるようになります。
明確さ、測定可能、達成可能、関連、期限、この5つのワードを意識すれば、KPIの書き方をマスターできます。
時間と手間をかけずにKPIを設定したいという方には、進捗管理システムの導入がおすすめです!以下から最新のKPI管理システム「Quantee」の資料を無料でダウンロードして詳細を確認してみてください。