営業戦略とは?重要ポイントや立て方、進め方などを解説
会議や資料などにおいて「営業戦略」という言葉を見聞きすることもあるでしょう。
「営業戦略」は、その名の通り「営業の戦略」だと理解できますが、具体的にどのようなことを指すのかイメージできない方もいるかもしれません。
そこで、本記事では営業戦略について定義や意味を明確にしたうえで、重要ポイントや立て方、進め方などを解説します。
営業戦略とは?定義や意味
まず、「営業戦略」という言葉の定義や意味を明確にしましょう。
本記事では、営業戦略とは「企業が営業活動を効果的かつ効率的に実施し、目標達成や競争力の向上を図るために策定する戦術的な計画のこと」と定義します。
市場は日々変化しており、競合他社も常に高みを目指しています。そんななかで、適切な目標を立てて、その目標を達成するための努力の方向性を定める計画だと認識するとよいでしょう。
営業戦略と営業戦術の違い
営業戦略と混同されやすい言葉として「営業戦術」があります。営業戦術とは、企業が営業活動をおこなう際の具体的な方法や手段のことです。
たとえば、現代では広告ひとつとってみても、Web広告や、新聞、テレビCM、チラシなどさまざまな方法があります。
これらの方法からどの広告手段を使い、どういった内容を伝えるのか、販促活動からイベントの企画、価格設定など、すべてが営業戦術に当たります。
営業戦略における重要ポイント
次に、営業戦略における重要ポイントを4つ解説します。
- 市場調査やニーズ探しをおこなう
- 現状を見える化して数量的に把握する
- 現状を分析して課題を明確にする
- コアコンピタンスを把握する
それぞれについて詳しく解説しましょう。
市場調査やニーズ探しをおこなう
まず、企業がターゲットとする市場の調査や、顧客のニーズ探しをおこないます。
どのような環境下でどういった人をターゲットにして営業活動をおこなうのか具体的に戦略を立てていきましょう。
また、この際に、競合退社の動きも考慮できるとよいでしょう。どういった商品に注力しているか、新規顧客と既存顧客のいずれに重点をおいて営業しているか、把握できるのが理想です。
現状を見える化して数量的に把握する
自社の商品やサービスについて、売上金額や売上個数などの売れ行きを数量的に把握して、可能な限り現状を見える化させることも重要です。
正確かつ詳細に把握するため、店舗ごとの比較や、時期による売上の変化、どういった年齢層が購入あるいは利用しているか、購入者の性別割合はどうなのか、などをすべて見える化するのが理想です。
ただし、手動で記録して見える化するのは、あまりにも非効率的ですので、ツールを活用して自動で記録して見える化するようにしましょう。
たとえば、営業活動やマーケティング活動を一元管理して、売上プロセスをすべて見える化する「Quantee」というツールがおすすめです。
組織階層ごとあるいは施策階層ごとに見たい指標の設定と進捗管理ができ、店舗ごとあるいは営業担当者ごとの比較も簡単にできます。
現状を分析して課題を明確にする
また、現状を分析して、企業の課題を明確にしましょう。課題を明確にしたうえで、いつまでに何を実現して課題を克服するか考えていきます。
たとえば、SWOT分析を活用すると考えやすいかもしれません。SWOT分析とは、以下の頭文字をとった用語です。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
内部環境(自社の強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)をそれぞれ分析することで、課題を明確にしてどうやって克服するか具体的に戦略を立てることができます。
SWOT分析では、各項目を掛け合わせて分析しましょう。
- 強み×機会:自社の強みを活かして成長できる戦略を立てる
- 弱み×機会:自社の弱みを補強して機会を活かす戦略を立てる
- 強み×脅威:自社の強みを活かして脅威を切り抜ける戦略を立てる
- 弱み×脅威:自社の弱みを踏まえて脅威の影響を最小限にする戦略を立てる
たとえば、新規顧客と既存顧客に分けて分析してもよいでしょう。
ただし、この際は、新規顧客獲得のための営業は難易度が高いことを念頭に置きましょう。同じ労力をかけても、結果には違いがあることも理解するのが重要です。
コアコンピタンスを把握する
営業戦略においては、コアコンピタンスを把握する必要があります。コアコンピタンスとは、競合他社が真似できないアドバンテージのことです。
自社ならではの強みがあればそれを活かさない手はありません。競合他社との差別化を図るキーポイントにもなります。
SWOT分析で、自社の強みや弱みを分析する際、コアコンピタンスを把握できると、より良いでしょう。
営業戦略の立て方と進め方:5ステップ
続いて、営業戦略の立て方と進め方を5ステップで解説します。
- 目標を立てる
- ターゲットを明確にする
- カスタマージャーニーを考える
- 現状の課題を洗い出す
- KPIを設定する
順序立てて進めていきましょう。
1.目標を立てる
まず、営業戦略を立てるためには目標を考えます。あまりにも達成できる可能性が低い非現実的な目標は避け、正しく努力すれば達成できるくらいの目標を立てましょう。
その際は、SMARTの法則を活用するとよいでしょう。SMARTの法則とは以下の頭文字をとったものです。
- Specific:具体的で分かりやすい
- Measurable:計測できる数字になっている
- Achievable:達成可能な
- Relevant:関連性がある
- Time-bound:期限が明確
目標を立てられたら、そこに到達するまでのスモールステップを考えるとよいでしょう。目標までの道筋を描く作業です。進むべき方向をしっかり定めましょう。
2.ターゲットを明確にする
目標が定まったら、自社の商品やサービスのターゲットを明確にしていきましょう。
年齢や性別、職業、趣味・嗜好、居住地、ニーズなどを具体的に決めて、ターゲットとなる人物像を想定します。
市場調査や顧客アンケート、商品やサービスの売上データ、などを総合的に考えて客観性かつ信頼性がある内容に仕上げることが必要です。このターゲットは変化することもあるため、適宜見直す必要もあります。
3.カスタマージャーニーを考える
続いて、カスタマージャーニーを考えていきましょう。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを知り、購入や利用の意思を持って実際に行動するまで、あるいは再購入や利用継続の意思決定するまでに顧客が辿る一連の行動や体験のことです。
カスタマージャーニーを考える際は、ニーズを理解しつつ顧客の立場になって考えることが重要です。可能な限り、スムーズに次の工程に移行できるようにフォローアップしましょう。
たとえば、購入意識があるのにもかかわらず、システムが複雑なため混乱させてしまい、購入を諦めさせてしまったり不安がらせたりしてしまうのは大きな損失です。
顧客の立場になって、不安や疑問などがなく、安心かつ信頼して購入および利用できるかチェックしましょう。
4.現状の課題を洗い出す
現状の課題を洗い出す工程は、営業戦略を立てるうえで重要です。自社の強みや弱み、競合他社との差別化などを客観的に把握することで、より成長するための課題を洗い出します。
感覚的なものだけではなく、数値やデータをもとに課題を把握する必要があるため、競合他社のデータと比較して違いを確認することも必要です。
5.KPIを設定する
最後は、KPIを設定します。KPIとは、「Key Performance Indicator」の略称で、営業戦略の結果を評価するために設定される重要業績評価指標のことです。
営業戦略におけるKPIの具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 新規顧客獲得数
- 売上目標達成度
- 顧客満足度
あくまでも実現できる範囲でKPIを設定することが重要です。
1つのKPIだけでは全体像を把握しきれない場合があるため、複数のKPIを組み合わせて評価するのもよいでしょう。
KPIについては、以下の記事で分かりやすく解説していますので参考にしてください。
まとめ
この記事では営業戦略について定義や意味を明確にしたうえで、重要ポイントや立て方、進め方などを解説しました。
営業戦略を立てて進めていくためには、適切な現状把握が必要不可欠です。市場調査やニーズ探しをおこないつつ現状を見える化して数量的に把握しましょう。自動でデータを集めるツールを用いると効率的におこなえます。
ツールをご検討中の方は、営業や進捗状況などを可視化できるKPI管理ツール「Quantee」がおすすめです。ぜひ、詳細を確認してみてください。