営業管理とは?8つの管理項目や具体的な手法・管理のコツを紹介
営業活動は属人化しやすいことから管理も難しく、「非効率的な営業スタイルが根付いている」「メンバーのモチベーションに差がある」という企業も少なくありません。
営業管理を適切に行うには、それぞれの管理項目を理解し、メンバーにも共有する必要があります。
そこで本記事では、営業管理の8つの管理項目を詳しく解説します。管理の具体的手法や、コツも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
営業管理とは
営業管理とは、売上目標を達成することを目的に、営業プロセスごとの数値を計測しながら改善していくことを指します。
ここでは営業管理の基礎知識として、営業管理の必要性とメリットを解説します。
営業管理が必要な理由
営業管理が必要な理由の一つが、市場の競争激化です。
情報社会の現代では、顧客は製品やサービスを購入する前にさまざまな情報を収集できます。
また今までは直接店舗に足を運んだり、営業マンに訪問してもらったりして商品を購入していたのが、インターネットを通して世界中の企業と取引できるようになりました。
これにより、企業は一層のセールスポイントを打ち出す必要があり、市場の競争激化につながっているのです。
競争が激化した市場で生き抜くには、従業員の能力を最大限に引き出し、より生産性・効率性を高めて業務を遂行する必要があります。
営業管理を適切に行うことができれば、人員が少ない中小企業であっても企業力を高め、他社と競争していくことができるでしょう。
営業管理で得られるメリット
営業管理で得られるメリットは、下記の3つが挙げられます。
- 営業活動の効率性・生産性向上
- 営業の属人化解消
- 顧客満足度の向上
営業管理を行い、案件の進捗や商談内容、スケジュールなどを共有することで、営業活動を見える化できます。
メンバーや顧客の状況が分かっていれば、その時々に合った戦略を立てられるようになるでしょう。
結果として業務の効率性・生産性が上がるうえに、データが蓄積されることで効果的な営業手法を見出せるようになるのです。
これにより営業の属人化が解消され、顧客満足度の向上も期待できます。
営業管理における8つの管理項目
ここでは営業管理における管理項目を、下記8つに分類して解説します。
- 目標管理
- 顧客管理
- 案件管理
- 行動管理
- 進捗管理
- モチベーション管理
- 人材育成管理
- 営業チーム管理
目標管理
目標管理とは、目標と現状を比較し、その差分(ギャップ)を埋めていくことです。
この場合の目標は営業部全体の目標と、メンバー個々の目標のどちらにも当てはまります。
具体的な目標としては、下記が挙げられます。
- 営業部全体の売上額
- 平均顧客単価
- 受注件数
- 新規アポ獲得数
目標管理で重要なのは、達成できる範囲の目標を設定することです。
高すぎる目標を設定すると、メンバーのモチベーションが低下してしまいます。現状の予算・体制を加味した目標設定を心がけましょう。
顧客管理
顧客管理とは、顧客との商談状況や購入履歴など、顧客に関する情報を管理することです。
最新の顧客情報を整理して管理することによって、顧客のニーズを汲んだ提案ができます。
具体的な管理項目としては、下記が挙げられます。
- 企業情報
- 担当者/決裁者情報
- 問い合わせ履歴
- コミュニケーション履歴
- 商談履歴
- 購入履歴
複数の部署で取引が行われている場合、自社に担当者が複数存在するケースも。
その場合、最新の情報を共有することで顧客満足度を高めることができるでしょう。
案件管理
案件管理とは顧客に的確なタイミングでアプローチを行うために、案件に優先順位を付けて管理することです。
優先順位を付けることで成約率を高めることができるでしょう。
具体的な管理項目としては、下記が挙げられます。
- 受注確度
- 見込み受注額
- 顧客のフォロー状況
案件管理でデータを蓄積していくことにより、成功事例や失敗事例を積み上げていくことができます。
ナレッジを蓄積することで、営業部全体の質の向上も期待できるでしょう。
行動管理
行動管理とは、メンバーの行動を数値化して管理することです。
各メンバーの目標達成へのボトルネックを発見し、改善策を打ち出すために実行されます。
具体的な管理項目としては、下記が挙げられます。
- アポイント数
- 新規訪問数
- 商談数
- 受注件数
行動管理の項目は、目標管理で設定した目標をベースに設定されます。
たとえば「個人売上目標●万円」という目標に対して、目標を達成するために必要となる「成約数●件」「顧客単価●円」などを設定して管理する、という形です。
目標達成に向けた行動を明らかにし、管理することで、着実に目標達成へと進んでいくことができるでしょう。
進捗管理
進捗管理とは、事前に立てた計画と実際の進捗にズレが生じていないか管理することです。
各メンバーのタスクを見える化して管理することで、業務の漏れや納期の遅延を防ぐことを目的としています。
進捗管理は、エクセルやビジネスチャット、進捗管理ツールなどが使用されます。
詳しくは下記の記事でもご覧ください。
関連記事:進捗管理を「見える化」する方法|おすすめのツールや選び方も紹介
モチベーション管理
モチベーション管理とは、メンバーのモチベーションをデータとして収集・管理することです。
具体的には、下記のような内容をアンケートで可視化します。
- 評価
- 人間関係
- 仕事の成績
- やりがい
メンバーのモチベーションが高まれば、生産性が上がる、離職防止になるなどの効果が見込めます。
そのためモチベーションが下がっているメンバーに対しては、データの分析による現状把握を行い、改善策を実行していくことが求められます。
人材育成管理
人材育成管理とは、メンバーが成長するためのサポートを行うことです。
具体的には、本人の実力より少し難しい案件に取り組んでもらう、OJTを導入するなどが手法として挙げられます。
営業は属人化しやすい特性を持つことから、トップセールスに頼った営業体制になりがちです。
人材育成を行うことで、チームとしての営業力を底上げできるでしょう。
営業チーム管理
営業チーム管理とは、チームメンバーが目標を達成し続けられるよう、目標やモチベーションを管理することです。
近年、営業部門もインサイドセールスやフィールドセールスなど細分化されています。
各チーム全体のモチベーションや主体性の向上なども必要ですが、営業部門においてはインサイドセールスチームからフィールドセールスチームへの案件引き渡しをスムーズに行えるよう支援・管理することも必須といえるでしょう。
営業管理の手法
営業管理を実践する際の具体的な手法を、下記3つのツールから解説します。
- エクセル・スプレッドシート
- SFA/CRM
- 進捗管理ツール
エクセル・スプレッドシートを使った営業管理
エクセルを使って営業管理する方法です。メリットとしては、導入コストがかからない、操作に慣れているメンバーが多い点が挙げられます。
しかしエクセルは営業管理に特化しているツールではないため、データの一元管理ができない、他ツールとの連携ができないなど、課題も存在します。
また社外での活動が多い営業部門においては、スマートフォンやタブレットでの更新がしにくいこともデメリットといえるでしょう。
エクセルでの営業管理は、営業人員や顧客数が限られている企業や、予算を確保できない企業には向いていますが、そうでない場合は次に紹介するSFA/CRMか進捗管理ツールを検討することをおすすめします。
SFA/CRMを使った営業管理
SFA/CRM(営業支援/顧客管理ツール)を使って営業管理する方法です。
メリットとしては、データが自動で紐付けられる点や、レポートを簡単に出力できる点などが挙げられます。
データを一元管理できるため、エクセルのように複数のシートを開く必要がなく、より効率的にマネジメントを行えるでしょう。
またSFA/CRMは本来別のツールですが、営業支援・顧客管理の両方を備えているツールも多く存在します。
そのようなツールを選べば、幅広い管理項目を一つのツールで管理しやすくなるでしょう。
一方で、SFA/CRMはシステムが定着するまでに時間がかかることがデメリットとして挙げられます。
また進捗管理については機能が限定的なツールも多く、その場合は次に紹介する進捗管理ツールと連携することが推奨されます。
進捗管理ツールを使った営業管理
進捗管理に特化したツールを使って営業管理する方法です。
メリットとしては、機能やデザインがシンプルで、プロジェクトごと/メンバーごとの進捗を直感的に把握できる点が挙げられます。
とくに複雑化した組織の場合、「チームや施策別に適切なKPI管理ができていない」「進捗管理がチームによって属人化している」などの問題が生じるケースも多く見られます。
そこで進捗管理に特化したツールを導入することで、複雑化した組織でも効率的にマネジメントを行えるようになるでしょう。
一方、デメリットは機能が限定的な点です。
しかし多くの進捗管理ツールはMAツールやSFA/CRMとの連携ができるため、ツール選び次第でデメリットは回避できます。
進捗管理について、具体的なツールを知りたい方は、ぜひ下記の記事もご覧ください
関連記事:進捗管理を「見える化」する方法|おすすめのツールや選び方も紹介
営業管理でパフォーマンスを向上させるコツ
最後に、営業管理でパフォーマンスを向上させるコツを3つ解説します。
- 自社の用途に適したツールを導入する
- メンバーが入力する項目は必要最低限に絞る
- 営業管理を行う目的を共有し理解を得る
自社の用途や予算に適したツールを導入する
営業管理でパフォーマンスを向上させるには、自社の用途に適したツールを導入することが重要です。
多機能なツールは一見魅力的に思えますが、あまりに多機能だとかえって使いにくくなってしまいます。
自社が抱えている営業の問題点を洗い出し、それをカバーできる機能を把握しておくことで、自社にフィットするツールを選ぶことができるでしょう。
またツールを選定する際は、ツールの料金形態にも気を配りたいところです。
SFA/CRMや進捗管理ツールの中には、利用人数によって料金が決まる従量課金制を採用しているものもあります。
この場合、1ユーザーあたり数千~1万5,000円ほどの料金が発生するため、大規模な組織になるほどコストが膨れ上がります。
営業管理ツールはデータを蓄積していく特性上、導入後は年単位で運用を行っていくことが前提となります。
機能面だけでなく運用費用も考慮し、自社に合うツールを選びましょう。
メンバーが入力する項目は必要最低限に絞る
メンバーが入力する項目が多いと時間や手間がかかってしまい、次第に入力が行われなくなる可能性があります。
メンバーの負担を軽減するため、また正確なデータを集計するためにも、入力項目は必要最低限に絞るべきです。
たとえば、詳細な記入が不要な項目は選択式にするなど、メンバーの負担を軽減するよう配慮しましょう。
管理者にとっても、項目を絞ることでマネジメントの質を高めることができます。
営業管理を行う目的を共有し理解を得る
営業管理で成果を出すには、営業管理の目的をメンバーに共有し、理解を得ることが大切です。
以前は個々の努力によって売上を達成する営業スタイルが主流でしたが、情報化が進む昨今では、組織力を高めて売上や効率性・生産性を向上していく必要があります。
とくにSFA/CRMや進捗管理ツールなどの導入を行う場合、営業メンバーの協力が必要不可欠となるため、導入前にメンバーの理解を得ることが求められるのです。
営業管理の目的をメンバー一人ひとりが理解していれば、スピード感を持って営業活動の効率化を進めていくことができるでしょう。
営業管理成功の鍵はツール選定と現場の理解にあり
営業管理は、営業活動のプロセスをツールを使って見える化することで、業務を効率化することができます。
競争が激化した現代において、営業管理による営業の効率性・生産性向上は必要不可欠です。
より効率的な営業管理を行うために、ツールの導入を進めていきましょう。
営業管理、とくに進捗管理や目標管理、行動管理を重点的に効率化するなら、KPIマネジメントツール「Quantee」がおすすめです。
Quanteeはセールス・マーケティング全領域における進捗管理が可能なツールです。
領域ごとにバラバラに管理していたものを一元管理できるため、管理者・マネージャーの工数を大幅に削減できるでしょう。
CRMやMAツールとの連携もできるため、各チャネルデータの一元化も可能です。
Quanteeについて、詳細は下記よりご覧ください。